1. HOME
  2. 活動実績
  3. ついんくる★★講座2022 第8回 テーマ:読むことや書くことを支えるアナログ・デジタルの教材たち~今、目の前にいる子の「わかった」を目指して~

ACTIVITY

活動実績

ついんくる★★講座2022 第8回 テーマ:読むことや書くことを支えるアナログ・デジタルの教材たち~今、目の前にいる子の「わかった」を目指して~

令和5年2月29日(日)、第8回ついんくる講座を行いました。

今年度最後となる講義テーマは、『読むことや書くことを支えるアナログやデジタルの教材たち~今、目の前にいる子の「わかった!」を目指して』

講師には、昨年もご講義いただいた安来市立荒島小学校教諭の 井上賞子先生をお招きしました。

井上先生は教師をされながら、特性のある子ども達の学習を支える教材やアプリの研究や開発にも携わっておられ、著書も多数出されている方です。

 

講義はまず、井上先生の先生の「基盤としている考え方」として、「勉強嫌いはなぜ起こる?」「学習量をどう考える?」など、学習に困難さを抱える子どもに大切なのは、苦手さを補う「方法」を検討する事で、本人の意欲を維持させ学習の機会を保障する事だ、などといったお話などから始まりました。

そして、アナログの教具やiPadなどのICTの活用事例に沿って、井上先生が子ども達のそれぞれの事象を観察しながら、どこに困っているのか仮説を立てた際のポイントや、どのように試行錯誤し調整していったのか等、具体的でとても分かりやすいお話を写真や動画とともに沢山ご紹介いただきました。

講義の冒頭で、「教師としてこれまでたくさんの様々なタイプの子を見てきましたが「本当の本当に勉強が嫌いだ」という子は1人としていませんでした。彼らだってわかると嬉しいし出来ると盛り上がる、学ぶのは楽しいといえる子ども達です。ただどうしたらいいのかが分からないだけ。』というお話がありましたが、苦手さにマッチしたアプリや教材を使い、本当に生き生きと学習している子ども達の様子の動画は、まさにそれが体現されていて、私たち大人の責任の重さを感じるものでもありました。

他にもすぐ活用できそうな支援に関する沢山の情報や、井上先生の熱い想いがこもった印象的な言葉の数々で、「彼らの人権を保障する」という大事な事を私たちに意識させてくれる、多くの学びをご教授いただきました。

 

講座アンケートでは

○ 中学校の支援学級の担任一年目です。できないと言って増やす…がんばれと激励する。 まさにやってます。『 方法はなければ作る。』この言葉に、自分が今までできないことを子どもの特性のせいにしていたことにきづきました。『 教師がバトンをもっている』ことを自覚し、方法を考えていきたいと思いました。

○『工夫すればできる』を目指していろいろ教材を工夫してきたつもりでしたが、その時をしのぐだけで、自立解決にならず、自己満足になっていただけなのではないかと、振り返る事ができました。『学び方の選択肢は、人生の選択肢になる』という、お言葉を肝に銘じて、目の前の子どもたちの支援を考えていきたいと思いました。

○ 今まで分かっていたと思い込んでいた事以上に大切なことに気付かせて頂きました。『方法は、その子(人)の武器になる! “配慮”ではなく、”人権保障”』

○ ICTだけを活用した支援だと、どうしても「自分には無理だ」「学校はiPadではない」と諦めてしまう。今回、アナログの面でのアプローチがあり、また井上先生が『市販の教材を使いながらオーダーメイドに近づけていく』という説明をされたので、自分でもやってみたいという気持ちがわいた。

などの他、嬉しい感想が多数寄せられました。

 

講義終了後の尽きる事ない質問にも、閉講後30分間最後までお応えいただいた井上先生、本当にありがとうございました。

 

以上、第8回ついんくる★★講座のレポートでした。

 

最後に、ついんくる★★講座はオンライン開催になって3年目になりますが、今年度も多くの、様々な立場の方々に参加いただけました。参加者の皆さま、ありがとうございました。

また、ついんくる講座・現在進行中のプロジェクトなどの今年度の活動は、ちくご川コミュニティ財団「子ども若者応援助成金」と「久留米市市民活動・絆づくり推進事業費補助金」を活用させていただいております。沢山のご協力ご助力をいただきました関係者の皆様、またついんくる講座協働先である久留米市幼児教育研究所・障害者福祉課・学校教育課の皆様に、心より感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。

来年度もまた、私たちの暮らす地域での「自閉症支援のスタンダード」を目指し、活動をおこなって参ります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします♡

 

文責:柴田