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ついんくる★★講座2017 第2回 テーマ:家庭で今日から出来る勉強法☆宿題がサクサクすすむためのポイント
H29年8月5日(土)久留米市教育センターにて、第2回目の講座を開催しました。
保護者、教育関係者、学童保育所、保育園・幼稚園職員、福祉サービス事業者、医療・療育関係者など93名の方に参加していただきました。
テーマ:『家庭で今日から出来る勉強法☆宿題がサクサクすすむためのポイント』
講師:NPO法人さるく代表 長瀬慎一先生
まず、宿題が進まない原因について
本人の実態と宿題が合っているか?…評価が大事!
「太田ステージ」(認知発達治療の実践マニュアル―自閉症のStage別発達課題)より
つなぎ言葉の「て」「に」「を」「は」が分かっているかどうか。ここが分かっていないと日本語が分かっていないということになり、「言えば分かる」に当てはまらない。
その他、ワーキングメモリや日本人の読解力が弱いといったお話がありました。
質疑応答が具体的で分かりやすかったとのご意見が多かったので、いくつかご紹介したいと思います。
Q.宿題のヤル気を起こさせるには、どうしたらいいですか?
A.まずは勉強する場所と時間をキッチリ決めること。小学4年生までは親がしっかり付いておく。「家訓」として決められるかどうか。
“分からないところはよく考えよう”は禁句。親が教えて、同じ問題を3回させる。解答を見ても構わない。(じゃないとこっそり見るようになる。)
Q.自閉症と重度の知的障害、興味のあることは少しずつ覚えている。模倣とマッチングを家で取り入れるために、まずは何をしたらいいですか?
A.知的に重い・低いは関係なく、コツコツやることが大切。プロがやっていることを真似すると早い。一生懸命母がするのはアリ。グダグダで終わらせない。“お母さんとやっても勝てん”と引き分けに持ち込む。
Q.指先が不器用で、硬筆はきれいに書けるが、考えて書くのが苦手。
A.100回書いても苦行。読解力をつけるには、書かないで見る学習をすすめる。文字の分配が分からないなら、マスの中(10マスノート)に書く訓練をしてはどうか。
講義の後は軽食(就労継続支援A型事業所 ぽれぽれ)をとりながら、8つのグループに分かれ意見交換しました。
参加者アンケートには
・子どもの頭の中を少し覗けたような気がしました。混乱したり、分からなかったりするところを注意されるのは、嫌だったろうなと感じました。(保護者)
・読解力の低さ(通常学級)は日頃とても実感していて、職場でも話にのぼることが多いです。私が関わっているクラスの子たちは、テストの問題文を読まずに解いている子も多いので、先生の「3行以上は読まない傾向」というお話は、興味深かったです。(教育関係者)
・どうして躓くのかという理由をほりさげていく重要性がよく分かった。やみくもに勉強させると意味がなく、ポイントをきちんとつかんでおく必要がある事は目から鱗でした。(医療機関)
・国語が大切と職場で言われることが多かったが、具体的にイメージできていなかった。とても分かりやすく、自分も国語を学びなおしたいと思った。また、楽しく学べる気になった。楽しく学べる、学びは楽しいということを、子どもと共感できることも大切だと思った。(療育関係者)
などなど、様々なご意見をいただきました。
今回もまた、たくさんの方にご参加いただき、ありがとうございました。
文責:松尾博子