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活動実績

ついんくる★★講座2017 第1回 テーマ:目で見て分かると分かりやすい!視覚支援ビフォーアフター

【ついんくる★★講座2017】スタート!!

今年度3年目となる、発達障害をまなぶ・つながる・ひろがる学習会「ついんくる★★講座」。
H29年7月1日(土)久留米市教育センターにて、第1回目の講座を開催しました。
保護者、教育関係者、学童保育所、保育園・幼稚園職員、福祉サービス事業者、学生、ボランティアなど100名の方に参加していただきました。

テーマ:目で見て分かると分かりやすい!視覚支援ビフォーアフター
講師:NPO法人さるく代表 長瀬慎一先生

まず、私たちの生活の中での視覚支援について
鳥栖JCTの行先別色分けや、某コンビニエンスストアでのコーヒーメーカー(R/L・ホット/アイス)など、写真をもとに具体的に説明をしていただきました。
私たちはこれまでの習慣と、見て分かる手がかりで行動が確立されていますが、発達障害の人たちはつまずきやすい(間違ったら二度とやりたくない)と言われています。
出来たらほめる、などの「励み」があると再現されやすいのですが、支援ツールは何でもいいという訳ではなく、本人に合っていないといけないということでした。

☆6つの行動明確化☆
①場所の分かりやすさ(物理的構造明確化)
②時間  〃    (スケジュールシステム)
③活動内容 〃   (ワークシステム)
④目で見て 〃   (視覚化・補助具)
⑤習慣・手順 〃  (ルーティン)
⑥人の関わり方 〃
①~⑤分かって動ける環境つくりが、自立へとつながる。

☆☆☆ASDのある人が捉えている構造(意味と見通し)が、周囲の人たちが捉えている構造と外れている場合に、「この場面ではこういう構造をくみ取ってほしい」ということをASDのある人に伝える方法が、構造(明確)化、特に視覚的構造(明確)化である☆☆☆

<Before>
・学校生活は毎日同じこと、だけど、忘れてしまうことがある。
・クラスメイトが手助けしているうちにやり方を忘れてしまう。
・移動教室や給食・掃除時間など、学校生活が受動的な活動になりがち。
<After>
・自分でスケジュール、ワークシステムを見て主体的に動く。
・クラスメイトも後ろめたさなく距離を保ち、お互いに適切なコミュニケーションがとれる。
・クラスの中で自分の役割を果たすことができる。

「支援ツールがあると、子どもが分かって主体的に活動でき、自立や達成感につながる」とまとめられました。

講義の後は軽食(kataru kitchen)をとりながら、8つのグループに分かれ意見交換しました。
最後に、数名の方に感想をお尋ねしました。
初めて参加された教育関係者、「今日、初めて話を聞いて、これまで生徒に“それでは社会に通用しない”と言ってきた。その自分の考え方を変えなければいけないと思いました・・・。」と話されていました。

参加者アンケートにも
・子どもの状況で不明なことがあったのですが、発見がありました。少しずつですが、家庭でも改善していきたいです。(保護者)
・多様な写真(題材)をもとに、視覚支援のあり方や「構造明確化」について再認識できました。「手がかり」の重要性や「励み」が行動に与える影響も分かりました。(教育関係者)
・視覚支援をやっていると思っているけれども、本当にその子どものために役立つものになりえていないことに気付かされました。意味ある視覚支援になっているか、現場の環境見直しをして作り直したいと思いました。(教育関係者)
など、様々なご意見をいただきました。

本講座は、今年度も久留米市のキラリ輝く市民活動活性化補助金を活用させていただき、開催しています。
また、協働先の久留米市の3部局(幼児教育研究所・障害者福祉課・学校教育課)と一般社団法人アカルカ福祉協会のご協力により運営し、広報、講座終了後の反省会まで参加いただきました。
今年度初めてのついんくる★★講座でしたが、参加者からも充実した内容だったとの感想をいただき、よいスタートを切れたのではないかと思います。これからまた1年間、どうぞよろしくお願い致します。
文責:松尾博子