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活動実績

ついんくる★★講座2017 第3回 テーマ:特別支援学級での取り組み

H29年9月2日(土) 久留米市教育センターにて、本年度第3回目のついんくる★★講座を開催しました。

今回も保護者、教育関係者、福祉サービス事業所などから、70名を超える参加がありました。

テーマ:『特別支援学級での取り組み』~視覚支援を中心に~
講師 : 那珂川町立岩戸北小学校教頭 朝倉博実先生

講義の冒頭、発達障害を取り巻く最近の状況について説明がありました。
東京大学のロケットプロジェクト、NHKの発達障害プロジェクトなど、国レベルで発達障害への取り組みが進められている。それは障害者への保護という視点ではなく、社会にイノベーションを起こすための人材として、発達障害のある人たちが注目され期待されている。教育においても、同調を求めてきたこれまでの教育から、多様性を認め合うインクルーシブな教育へとパラダイムシフトを行っていくことが大切だ、といった内容でした。

以下は、講義の要約となります。

1) 学校という組織
障害者差別解消法が施行され、少しずつ変わってきているが、敵対するも、協調するも選択権は保護者にあるということ。現在の教職員の多忙さについて。そして保護者に対して具体的な学校との関係づくりの方法について。

2) 特別支援学校について
特別支援学級(校)と通常学級の教育課程の違いについて詳しい説明あり。
生活単元は自立的な生活に必要な実際的・総合的な学習をすること。領域・教科を分けない指導形態をとり、学習は生活上の課題を成就するためのものである。ちなみにノースカロライナのTEACCHでは、レジャースキルを指導することが指導の優先順位の二番目に入っている。なぜなら、遊び方を知るものしか労働が続かないという考え方から。

3) 僕が特別支援学校でしてきたこと(具体的な実践の例)
・調理に関すること。調理用具の名称を覚えるためのカード、スウィートボテトの作り方手順書のいろいろ。
・クラフトに関すること。野菜の栽培に関すること。乗り物利用に関すること。レジャースキルに関すること。などなど実にたくさんの指導例を具体的なツールとともに紹介。
・教師は、楽しく充実した支援クラスを作ることで通常クラスの子どもたちがうらやむような学級を作ること。通常クラスの子が僕も支援クラスに入りたいというくらいに。そうすることで、支援クラスの子たちを守ってほしい。

4) 「生活(家庭)化」ということ
“直接経験の豊かさ”が人生を変える。特別ではなく日常的なこと。興味関心を広げ   生活の充実を目指すこと。

5) ホンモノにふれる
子どもが目を輝かせて前のめりになるとき。(500円玉を握ったとき。切符を握ったとき。店員さんからマックのセットをもらったとき。自分がつくった物で家族が喜んだとき。自分の笑顔で家族が笑顔になったとき・・・)

6) さいごに・・・
学校は手伝いはするが、主体は本人と家族にある。場の中心は各家庭と地域。学童期は大切な時期。「幸せな少年時代を送らせること」がその後の人生にとって大変重要となる。青年期の具体的な目標は就労にある。その為にも、「穏やかな青年(自閉症の)」となることを目指したい。ぜひ温かい少年時代を過ごさせてほしい。

講義の後は軽食(就労継続支援A型事業所 グッドジョブ大川)をとりながら、グループに分かれ意見交換しました。

今回もまた、たくさんの方にご参加いただき、ありがとうございました。
朝倉先生が作成された支援ツール、こちらでご紹介できないのがとても残念です。
講座終了後のスタッフ反省会で、「来年のついんくる講座にも、また講師として来ていただきたい。素晴らしい内容だった。」との意見が上がっていました。今回、参加出来なかった方は、ぜひ来年参加していただきたいと思います。
文責:松尾博子