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ついんくる★★講座2015 第2回 テーマ:発達障害基本の「キ」その2
H27年8月1日(土)えーるピアくるめにて、第2回目のついんくる講座を開催いたしましたので、その内容をご紹介いたします。
全2回目の講師は、言語聴覚士の高山紀子先生。
高山先生は、久留米市にある幼児教育研究所や太刀洗町の聖ヨゼフ園、県(北筑後教育事務所)・久留米市の巡回相談など、様々なところで活躍されています。
テーマ:発達障害基本の「キ」その2
~わかってほしい子どもたち~
10年ほど前は、自閉症=「引きこもっている」「他者と関わりを持たない人」
と思われていましたが、最近では、言葉をしゃべれる子どもたちが自分の思いを話すようになってきました。
“言葉をしゃべれない人にも、色んな思いがある”
言語聴覚士の仕事は、
「コミュニケーション障害の専門家」
「うまく伝えられない人の代弁者」なのだと高山先生は言われています。
まず「発達障がいとは?」から
ADHD(注意欠陥多動性症候群)・LD(学習障害)・ASD(自閉症スペクトラム)
のそれぞれの特性
「その子に合っているか」「その子が動きながらやる時に分かるかどうか」(環境整備・構造化)や
「本人に分かりやすい方法で伝える」
「不適切な行動をしたら、行動の裏にある本人の気持ちも受け止める」
といった、配慮する点も教えていただきました。
<誤解>
・ご褒美(物)を使うとその物がないと動かない子どもになるのでは?
・スケジュールやパーテーション等のアイテムを使用すると、それがないとできなくなるのでは?
・周りをみてやっているから大丈夫
・声かけでわかります
・失敗から学ぶものです
↓↓↓ そうではなく…
【子どもの学ぶ道筋が違う】=その子に分かるやり方で教えることが大事!
といったお話
それから
・先生は僕のことを思ってくれている
・世の中はレアなものを認めない
・僕だって泣きたくないんだ。だけど勝手に涙が出てくるんだ。
・先生に切れた時、どうしたらいいですか?
など、先生が直接聞かれた「理不尽さに傷付いている」子どもたちの声も紹介してもらいました。
講義の後半は、あらかじめ提出されていた質問にも答えていただきました。
一つだけご紹介します。
問:褒め方のコツを教えてください
答:「わーすごーい!!」と言われると嬉しい子もいますし、「大げさに何回も言われるのはイヤ!」という子もいます。「うん」「いいよ」「かっこいいね」等、その子の価値観(何が好きか)その子どもに合った褒め言葉を使うこと。色々やってみないと分かりません。
私たちは、いっぱい頑張っていることを褒めてしまいがちですが、当たり前にやっていることも褒めることで、こどもたちは「こんなことでも褒められる→いつも見てくれている」ということを感じてくれます。
なるほど…。当たり前に出来ていることを褒める、ってなかなかできてないですよね。
そうすることで、子どもとの関係も良くなります。
今回の講義は、発達障がいの基本的な特性から、支援者側の心構え、困っている行動への基本的な考え方や子どもたちの思いまで、盛りだくさんの内容でした。
講義の後は、保護者グループと支援者グループに分かれ、katarukitchenさまに準備していただいた軽食をとりながらグループワーク(フリートーク)。
ランチBOXは「オシャレで美味しい」と好評で、入れ物まで持ち帰っている人もいました。
保護者グループでは、診断を受けて間もない方や、学童期のお子さんがいたり様々で、気持ちに寄り添ったり、真剣に先輩お母さんのアドバイスを聞いていたり、あるある話で盛り上がったりなど、泣いたり笑ったりしているグループもありました。
第1回目とメンバーは違いますが、前回よりリラックスしてお話されていたように思います。
グループワーク終了後、グループの中でどんな話があったのか尋ねました。
「携わっている子どもがパニックになっていたのは、こういった特性があったからなのだということで腑に落ちました。正しい知識を学びとることで、理解を持って接していけると感じました。」と支援者グループから発表がありました。
提出いただいたアンケートを、少しご紹介します。
「子どもをかえるのではなく、私自身がかわっていかなくてはと思いました(保護者)。」
「“子どもたちはみんな頑張っている“という言葉、心にしみました。”わがままばかりして…“”言うことを聞かない“と一方的に決めつけていた自分。反省プラスここで知ることができてよかったと思いました。(教育関係)。」
「先生のお話から、教師としての立ち位置をもう一度振り返り確認することができました。“子どもの世界に入れてもらえるようになる”“子どもの特性を肯定的にとらえる”この二つの言葉が一番心に残りました(教育関係)。」
今回もまた、「具体的で分かりやすく、有意義な時間だった。」とのご感想をたくさんいただきました。ありがとうございます。
文責:松尾博子