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(株)障がい者つくし更生会へ視察に行きました

H30.10.29(月)
子どもが通う特別支援学校PTAの研修で、大野城市にある「株式会社 障がい者つくし更生会」へ行ってきましたので、少しだけ内容をご紹介したいと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、つくし更生会は
社員構成 総数39名、その内障害のある方が34名(内訳:知的3名、精神10名、聴覚4名、上肢3名、下肢11名、内部1名)。障害者雇用率87.1%、法定雇用率102.6%の会社です。
「障がい者が自ら雇用の場を創造・開拓し、以って障がい者の自立更生を図る」ことを趣旨として昭和59年に設立されました。春日市と大野城市の不燃性一般廃棄物中間処理施設の運転・管理をする会社です。

 

「ごみ処理施設技術管理者」「最終処分場施設管理者」「安全衛生推進者」「危険物取扱い者」
「防火管理者」「車両系建設機械」「フォークリフト」「クレーン」など、障害者28名を含む34名が資格を所有されています。

専務取締役の那波さんよりお話を聞きました。
・福祉をやっているつもりはない → 普通の会社が競争相手。ビジネスとして成り立たせている
・お客様から高い評価を得ている → 成果を出している(クオリティが高い)
・専門家の介入は一度もない → 専門家が学びにくることはある
・補助金、給付金をもらったことがない
・年間28000件の対応を手帳の名前ではなく、できる人がやっている
・定着率100% → 辞めたい人がいない
・破砕作業を持っている市町村600プラントの中でもトップレベル。爆発を起こしたことは一度もない。
・点検、清掃も自分たちで行う → 維持費がかからない
・全国のプラントに障害者がいることは多い(障害者が一つのラインを預かっている)が、全体に
いるのはほとんどない
・面積はヤフオクドームくらいであるが、目の前が民家というのは珍しい

缶とビンの仕分けをする際、中身の入ったビンが1日大きな箱に3箱分持ち込まれます。それを一つひとつ開け、洗浄作業をしているそうです。それをやることで、年間100万円の行政負担がなくなります。
みんなが嫌がることをコツコツやる。このコツコツが日の目を浴び、環境にもやさしい、日本でもトップレベルの企業となっているわけです。

またこの会社では、障害名を言うことはなく、その人がどんな人か理解することで工夫ができると言われます。

クレーンで運ばれた缶を、平らにならしていく仕事をされている方がいました。彼は、別の場所で仕事をしていたのですが、段々と股関節に支障が出て、動きが悪くなってきたそうです。そこで
配置転換をしたということなのですが、彼は低身長なので、ちょうど胸の辺りにあるコンベアーの縁で体重を支えることが出来ていると紹介されました。もっと身長の高い人なら、とても長時間は続かない作業でしょう。

加齢とともに段々身体が不自由になり、仕事に自信がなくなっていくこともあるでしょう。でもその中で、自分でやれるという自信をつけさせる。仕事という材料を通して実感が得られるようにする。
そして、周りの人も「出来なくなったもんなあ」ではなく、「毎日よくできるね」と思えるような関係性を作っていくこと。できるところに着目させる。
人間関係を整える(醸成)することで、つきっきりにならなくてよい。これは障害のある・なしに関係ない。小さい頃から人のことをどう認めていくかが大事だと那波さんは話されました。

つくし更生会には年間数百名の視察があるそうです。(今年度は10/29現在で434名)
企業(就労関係)・保護者・当事者・学校の先生方・ジョブコーチ等

その際、「5回、10回やってできないことは100回やっても無理。本人にとって覚えやすいやり方なのか、受け入れる側の理想や認識、企業側のやりやすさになっていないですか?」と問うているそうです。
「これまで23年間、考え・悩み・工夫をしてきた。カルチャーショックでもあったが自分のためにもなった。自分たちがよかったから、気づくきっかけとしてやってきたことをコンパクトに説明している。」

冒頭で那波さんは、会社の誰もが“自分の役割を責任もって果たす”と話されていました。
「組み合わせ方や育て方で成果を生める」
自分たちの取り組みを多くの人に伝えたい。那波さんは責任もってご自分の役割を果たされているのだと思いました。

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