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活動実績

ついんくる★★講座2015 第3回 テーマ:発達障害と医療

H27年9月26日(土)石橋文化センター共同ホール研修室にて、第3回目のついんくる講座を開催いたしました。
遅くなりましたが、その内容をご紹介いたします。

全3回目の講師は、久留米大学小児科医 家村明子先生。

テーマ:発達障害と医療
~診ること、繋ぐこと~

家村先生は、小児科専門医として
久留米大学病院小児科、幼児教育研究所の医療相談、保健所での気になるお子さん相談、すくすく発達相談など、沢山の場で子ども達やその家族を支えて下さっている先生です。

★医療ができること
①診断
②保護者への障害特性や今後の見通しの説明
③治療
④本人への告知
⑤福祉サービスなどに繋ぐための診断書
⑥進学や就労に関する医学的立場からのアドバイス

★発達障害の原因ってなに?
→脳の問題が関係(バランスの悪さ)
よって、親のしつけ方や教育の仕方、友人関係、これらが直接の原因ではありません。

★診察を受けることの意味は?
→決してレッテルを貼るのではありません。大切なのは、こどもに合った育て方をすること。

★発達の凸凹はなおるの?
→傷口が治るようにとはいきませんが、子どもに合った育て方を工夫することで、苦手なところをうまくカバーする力を付けることができます。社会に適応できていれば、発達の凸凹は個性として受け止められます。

★発達障害の子ども達は育てにくい・・
→子育てのテクニックが必要!-ペアレントトレーニング(保護者指導法)行動療法の手法で、子どもによりよい対応を行えるようにする訓練

最後に
「子ども達が、楽しく、自分らしさを誇りに持って生きていくこと。」
これが、支援の目指すゴールだと、家村先生は言われていました。

全ての内容は載せきれませんが、
発達障がいの定義から診断、各機関との連携の重要性、「くるめSTP」の取組み、「こどもセンター」設立を求める連絡会、ペアトレなど、盛りだくさんの講義内容でした。

アンケートには、
「毎回新しい知識や考え方が得られて嬉しいです。メンタライジング・実行機能・統合的一貫性などについて初めて詳しく知ることができ、子どもへの理解が深まりました(保護者)。」
「具体的に思い浮かぶ場面や状況がありますし、その時にどう向き合うか、こちらが声かけや行動をどうするか、ということを(方向性やスキル)学び、振り返る機会となり、さらに学び続けることの大切さを感じました。学んだことを、どう実践に活かすかが大切と思います(教育関係者)。」
といったご感想をいただきました。

講義の後は、保護者グループと支援者グループに分かれ、就労継続支援A型事業所「一般社団法人れんこん」さまに準備していただいたお弁当を食べながら情報・意見交換。
「また、あるある話ができてよかった(保護者)」
「勇気100倍いただきました。今からの道筋に少し光がさしました。(保護者)」
「講座前後の会場での会話の様子や内容から、この講座自体が集う人たちの情報共有・交換の場や”元気の素“となっているのだなと感じました。(教育関係者)」といったご感想もいただきました。

講義が始まる前、前回のグループワークで初めて顔を合わせたお2人が、隣同士の席に座られていて、会場の前の方にいた私へ手を振って下さいました。
お2人とも、診断を受けて間もない保護者の方で、「相談できる人や同じ立場の人が周りにいない」と前回のグループワークで涙ながらに話をされていたのですが、今日はお2人とも、少しリラックスされた様子で、笑顔も見られていました。
講座をきっかけに顔見知りになり、そして新たなつながりが出来る。
お2人の、前回と違った姿を見ることができ、私も嬉しくなりました(*ˊૢᵕˋૢ*)

講座終了後の反省会では、
受付の方法や講座のすすめ方、時間の配分はどうだったかなど、毎回見直しをしております。
また、参加者のみなさまからのアンケートのご意見などを参考にさせていただき、今後の講座に活かしていければと思っています。
今回、お薬の働きや、何のために薬を使うのか、また先生のご専門である睡眠に関するお話をもっと詳しく聞きたい!といった意見が出ましたので、可能であれば来年度もまた家村先生に講師をお願いしたいと思います。
文責:松尾博子