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活動実績

ついんくる★★講座2015 第1回 テーマ:発達障害基本の「キ」その1

H27年7月18日(土)えーるピアくるめにて、第1回目のついんくる講座を開催いたしました。

全10回講座のトップバッターは、おなじみの長瀬慎一先生。
テーマ:発達障害基本の「キ」その1
はじめてボランティアするあなたへ
(苦手さを持った子どもにわかりやすいこと=みんなにとってわかりやすいこと)

世の中には、視覚支援が溢れています。
IKEAのトイレ、鳥栖JCTの行先別色分け、某コンビニのコーヒーサーバー・某特別支援学校の案内表示版など
分かりやすい視覚支援と、そうでない視覚支援を写真入りのスライドで説明していただきました。

「言えば分かる」は言語道断!
耳からの情報だけでは分かりにくいから、特別な配慮が必要なのです。
“おしゃべり言葉は「て」「に」「を」「は」などの助詞・形容詞が理解できていないと分からない”と長瀬先生は言われています。

あくまでも「お客様本位」
より視覚的なものが分かりやすい。
家電量販店で迷わないのは、「お客様本位」の視覚支援がされているからです。

<6つの構造明確化=分かりやすさ>
・物理的構造明確化(場所がわかる)
・スケジュール(時間がわかる)
・ワークシステム(活動内容がわかる)
・視覚的構造化(見てわかる)
・ルーチン(習慣・同じ手順)

・人の関わり方

発達マイノリティの人には、環境整備がとても大事。
それは、車椅子にスロープが必要なのと同じことなのです。

それから、一般的な脳と、広汎性発達障害者の、脳の画像を見せていただきました。
笑いながら「ひどいね」と言われた時、一般的な脳の人は、それが冗談だと分かり脳が活性化しているのですが、広汎性発達障害の人の脳は、活性化していませんでした。
言われたことをそのまま受け取ってしまうのは、そもそも「脳のしくみが違う」からなのですね。

長瀬先生のお話は、「具体的で分かりやすく、おもしろい」と毎回評判です。

アンケートには
・自分(一般)が当たり前だと思っていることが、特性のある人は全く感じ方が違うのだと少し驚きました。(保護者)
・教師目線で捉えがちな日々の出来事。子どもたちの目線で、今、何に困っているかしっかり捉えながら支援していかないといけないと思いました。(教育関係)
・もう一度支援のあり方を見直すこと、私たちの視点を変えることを考えるきっかけになりました(教育関係)
・「こういう言い方をしても伝わらない」デモンストレーション、ついつい自分が陥りがちな接し方の間違いに気付けてよかったです。(教育関係)

講義のあと、保護者グループと支援者グループに分かれ、ポレポレさんからご用意いただいた軽食をとりながら意見交換をしました。

・様々な地域で様々なタイプの子どもさんを持ったお母さん達とお話できて、有意義な時間となりました(保護者)。
・学校現場での課題や現状が知れた。やはり、一人では大変なことが多い。協力が大切。チームアプローチ(療育関係)。
・他の方となかなかお話しする機会がないので、一緒に勉強し、一緒に話せて、お互いが「来てよかった。これから頑張ろう」と思えるような会でした(教育関係)。
・身近な困りごと、同じ仕事で同じように悩んでいる先生方の頑張りをしっかり聞くことが出来、励みになりました(教育関係)。
など、たくさん情報交換でき楽しかったとのご意見を多くいただきました。

今回の学習会は、保護者と支援者がちょうど半分ずつご参加いただきました。
特別支援教育に関わっておられる先生方、そして療育機関の先生方、福祉サービス事業者のみな様など、子ども達をとりまく全ての支援者のみな様と、私たち親が

「共通のテキストで学ぶ」

ということが、今回の講座の大きな目的でもあります。
残り9回、長い期間になりますがどうぞよろしくお願いいたします。
文責:松尾博子