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ついんくる★★講座2020 第2回 テーマ:子どもの心の治療について~実際のケースから学ぶ~
令和2年8月23日(日)第2回目のついんくる★★講座を開催しました。
講師は、のぞえの丘病院院長 堀川直希先生です。今回の講義の目的は、知る機会の少ない精神科医療について知ること、精神科病院で行われている発達障害の治療について知ること、そして地域で暮らしながら、必要な時につながるためのヒントにするためです。
はじめに、令和元年9月に開院されたのぞえの丘病院の紹介、福岡県ではじめての児童思春期病棟があることや、急性期病棟には出産前後のお母さんのサポートが赤ちゃんと一緒に出来ることなど、たくさんの温かい想いの詰まった病院の紹介がありました。
事例は、長年、統合失調症と診断されていた30歳女性(Aさん)と、発達障害と診断されていた不登校の13歳男子について。Aさんの治療にあたり、一緒に生活史を振り返り、本人が日々何を感じ、何を想いながら生きてきたかに焦点を当てて面接。そこに本人の想いを大事に取り入れて…。診断や見立てで変わる治療。治療は薬だけではない事。13歳の事例では、自閉症性スペクトラム障害と行為障害の診断はあるが、家庭環境の中で、安心感の持ちにくさが影響している事例。母親も診察をして、母親自身も家族関係で悩んできた歴史があり、家族面接で自宅に帰れたケースとのこと。いくつかポイントがある中で、その子の訴えが何が原因で起きているのか、どの段階の障害なのかを見極め、関われる部分から関わっていく。本来の健康さに目を向け、それが見えやすいような仕掛け作りをしていく必要があると教えていただきました。
最後に精神科での治療について。誰しも得意不得意があり、発達障害はその人のもつ特性であること。基本的に発達障害だけでは、精神科の治療は必要ではないが、イライラや暴力などの二次障害があるときなどは必要になる。また外来通院で行われていることや入院が必要になるときの状況などわかりやすく教えていただきました。
参加者アンケート
・目の前のことだけではなく、環境や生来のものを確認する。本来の健康さをみることで捉え方を変える(可愛くみえたり愛おしく感じたりする)ことで対象者も支援者も心が楽になるのではと思いました。
・2つの事例が大変わかりやすかったです。また「薬を極力減らしていく」ということや「脳は発達し続ける」ということが印象に残りました。
・精神の難しい診断の事例や、している治療、診察について普段聞くことのできない話を学べました。症状ではなく、本質を見ることが大切なことを改めて学びました。
・医師がどのような考えのもとに治療をされていることを知ることができ、連携を図らせていただくことへの不安が減りました。なんとなく敷居が高かったので…。
堀川先生の優しい語り口での精神科医療の話と、想いの詰まったたくさんの言葉で、精神科が少し身近に感じられたのではないでしょうか。来月も今月の続きとなります。たくさんのご参加お待ちいたしております。 文責 加藤